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WUSAは、なぜ中断されたのか?

 アメリカにいて、中でもニューヨークというビックシティーで、女子サッカーに携わっていると、交わされる会話の中に、日本の女子サッカーが参考にするべきことだな-と感じることが頻繁にある。

 昨日のディナーで、「なぜWUSA(今は活動を中止しているアメリカの女子プロサッカーリーグ)は、中断されたのか」が話題に上がった。そこには、日本の女子サッカーがどうあるべきか、Lリーグがどういう風に運営されていくべきかのヒントがあったように思う。

 まず、WUSAが中断された理由は、財政難。そして、それはその運営方法に問題があったという。アメリカでは、それぞれの組織がスポーツをビジネスとして運営している(どこの国でもそうだか、アメリカは特にスポーツビジネスの要素が強いように思う)。

 サッカー界で、1番大きく、名が知られていて、基盤がしっかりしている組織が、USL(United Soccer League)。その中には、男子サッカーでは、プロリーグのMSL(Major League Soccer)、男子のセミプロAリーグ、、など、、そして女子サッカーでは、セミプロリーグWリーグ、ユースリーグ、Super Yリーグ、が含まれる。

 WUSAは、開始の時点で、こういった組織に参加することなく「女性」が「女性」を中心に運営するということにこだわり(もちろん男性スタッフも含まれたが)、WUSAとして独立した組織として運営を開始した。まずそこに問題があったという。

  再度いうが、スポーツ運営はビジネス。お金があってこそなんぼ。WUSAは、女性スポーツが財政面を含めて独立して運営していくことの厳しさ、現実、を浮 き彫りにしたのではないか。例えば、女子バスケットボールのプロリーグ(WNBA)は、男子のプロバスケットボール組織(NBA)の元で運営されている。 日本でも有名なように、NBAはアメリカではそれはそれは大きなスポーツ組織で、莫大のお金を動かしている。その下で、WNBAは、プロの女子バスケット ボールリーグとして存続し、少女達に目標と夢を与えている。

  もちろん、女子サッカーとして独立した組織で運営できればそれに越したことはないが、その存在をまずは継続させることが何よりも大事なのではないか。プロ の女子サッカーリーグ(ここではWUSA)がなくなってしまっては、サッカーが大好きな少女達はどこに目標を置いて、何に夢を抱いてプレーしていけばいい のだろうか。USLのリーダー曰く、「WUSAはプロリーグだったけど、存在したのは数年。Wリーグ(USLが基盤にある女子サッカーリーグ)はセミプロ リーグだが、WUSAが存在する前から存在し、今もその存在を続けている。」

  WUSAが中断した理由として、『誰』がリーダーとして運営していたかということも上げられていた。サッカー界を本当に理解している人が運営してこそ長期 運営が可能なのもの。USLのリーダーがヨーロッパや南米などのサッカー界全体を理解して運営しているのに対して、WUSAの指揮をとっていたのは、弁護 士。サッカーに関する知識や情報に精通していたかというと、疑問が残る。スポーツ界、サッカー界、スポーツマネジメントなどについて、知識がある人たちが 運営してこそ、組織が継続し、その存在が本物のものとなる。ただ、人気が出てきたから、その場のお金が集まったから、「ハイ、じゃープロリーグをはじめま しょう」というのでは、長続きはしないのだ。

 最後 にあげられていたのが、選手達の無知さ。プロであるということだけに舞い上がり、果たしてどの位、彼女達に、「プロとしての金銭感覚」があったかかなり疑 問である。一部のトップ選手、海外からの代表クラス選手は$70,000-$80,000(月収約70-80万円)又はそれ以上の収入があったが、最低賃 金でプレーしていた選手達は、$20,000-$24,000(約20-25万円)。物価の安い田舎街では、そのくらいの額でも生活できたかもしれない が、ニューヨーク、ボストンなどの大都市で、$24,000で生活していくのは不可能に近い。選手達に、女子サッカーのプロ選手として食べていくという知 識がどの位あったのだろうか。契約書にサインする時点で、そういったプロ意識がもう少し必要だったのではないか。運営側だけでなく、選手達自身がプロ意識 をもつことも、プロリーグが存続するカギである。

  この意見は、私の周りのサッカー関係者の中で、ディナーのときに上がった会話であって、必ずしも正解ではないのかもしれない。しかし、この中に『日本の』 女子サッカーがどういう人たちによって、どのように運営されていくべきかのヒントがあるのではないかと思い、思い出せる限りの中でその会話をまとめてみま した。

 っと、まじめなコラムになりました、かなえより第二回コラムでした。

2005年4月18日
かなえ

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